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経済学部 国際経済学科

新入生の皆さんへ

大阪産業大学経済学部長の富澤です。ご入学おめでとうございます。そして保護者の皆さま、ご子息ご息女のご入学、本当におめでとうございます。経済学部の仲間として皆さんをお迎えできることを心から喜んでおります。

皆さんは新型コロナウィルスの流行という世界的な大問題のさなかに私たちの経済学部に入学することになりました。本学でも感染拡大を防止する観点から、大変残念なことに、入学式やガイダンスを中止、延期せざるを得ないこととなり、皆さんには大きな悲しみとご心配をかけることになってしまいました。この点について、まずは申し訳なく、お詫び申し上げます。

大学においては、感染拡大の状況や感染防止対策に関する政府からの情報などを常に入れながら、まずは人命を守ることと自分たちが感染源とならないようにすることとを最優先とし、現時点でできる対策と今後を見据えた方針の策定とに日々取り組んでいるところです。このような状況では事態の変化に合わせて対応も変化しなければなりませんから、いったん公表された方針が、後日に変更される可能性もあります。いったん決めたことだから決して撤回しないという考え方には良いところもたくさんありますが、今回の新型肺炎の大流行は世界的にも私たち世代にとって初めての経験で、試行錯誤が必要です。間違えることを覚悟しながら判断し、間違いが判明したらすぐに訂正し、そして皆さんにはその状況をできるだけ明らかにして、理解と協力をお願いする。そういう取り組みが必要な時期であると考えております。皆さんにはご不便とご心配をおかけしますが、どうか大学からの連絡や発表をこまめにチェックして、対応していただくようお願い申し上げます。

さて、大阪産業大学経済学部は1986年に設置されましたから、今年で35年目を迎えます。経済学部の卒業生はすでに1万人を超え、全国各地、国境を越えて活躍して、私たちの社会を支えています。入学生の皆さんも経済学部で大いに学び、このOBやOGのあとに連なってほしいと願っております。
皆さんはこれから経済学部で学ぶわけですが、その際に最も基本的なことは、社会に対して目を向け続ける、考え続けるということです。たとえば、今の新型コロナウィルスの流行は、すでに世界の様々な仕組みを変えつつあります。おそらく、今後、仮にこの流行が収まっても、世界がすっかり元どおりに戻ることはないでしょう。たとえば今話題になっているテレワーク。これは今後、ゆっくりとでしょうが、会社や仕事の在り方を変えていくことになるでしょう。また、危機管理体制の整備も進み、緊急事態に即応するために政府が国民のプライバシー情報を集約管理したり、議会での熟議を経ないで意思決定したりすることへの抵抗も薄れていくかもしれません。これまでの災害では極めて難しかった、被災者への多額の現金給付という仕組みも実現しつつあります。このように、今回の緊急事態は、それまで社会が抵抗していた、あるいは食い止めていた動きへの突破口を開き、そこから新しい物事が展開していく糸口を作った可能性があるのです。

こうした新しい動きはすぐにはわかりません。動きが見えるようになるには何年もかかるし、空から鳥が景色を見下ろすように視野を広げて社会を眺めなければ見えないことも多いのです。皆さんは経済学部という、社会と人間の関係を正面から研究する学部で4年を過ごします。この新型コロナウィルスがどんな影響を社会にもたらすのか、人々はこの災害にどのように向き合い、その後の影響をどのように受け止めるのか、そういうことを考え、将来を見通す力を、ぜひつけていってほしいと願っております。

皆さんは不透明な状況のなかで大学生活を開始するわけですが、大学には大学生活をサポートするための様々な窓口と仕組みがあります。困ったことや分からないことがあったら、気軽に相談してください。私たちは皆さんが希望に満ちた新しい大学生活をスタートできるように、教職員一同でサポートしていきます。

今は本当に大変な時期ですが、皆さんが学び成長する場を維持するために私たちは全力で頑張ります。皆さんももう経済学部の一員です。一緒にこの困難を乗り越え、大阪産業大学経済学部と私たちの人生の新しい1ページを作っていきましょう。