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経済学部 キャリア教育関連科目「キャリア講座C」

  • 株式会社京伸
    代表取締役
    古川 治樹 様

講演日:2024年4月24日

インタビュー

現在の仕事に就きたいと思った理由、きっかけは何でしょうか

大学在学中、小さな町工場でアルバイトを始めたことが、私とものづくりとの運命的な出会いとなりました。当時の私は将来の目標も定まらず、ただただ無為に大学生活を送っていました。しかし、ある日たまたま手に取った求人雑誌に掲載されていた町工場の求人が目に留まりました。興味本位で応募し、働き始めたその工場で、私は1枚の金属板からさまざまな製品を生み出す職人たちの卓越した技術に強く魅了されました。もともとものづくりに関心があった私は、その世界にすっかり引き込まれ、特に板金加工の奥深さに心を奪われました。親の反対を押し切り、大学を中退してまでその工場に就職することを決意し、本格的に職人の道を歩み始めました。この経験が、私の人生の転機となりました。

仕事の魅力、やりがい、心掛けていることを教えてください

私たちの加工技術の一つに溶接があります。溶接は日本の製造業の基幹技術であり、特に町工場には、ベテラン職人が持つ高い技術力を継承できる大きな魅力があります。町工場は大手企業に比べて従業員の人数が少ないため、1人の職人がさまざまな製造工程に携わる機会が多く、その結果、職人の技術力が高まる傾向にあります。少数精鋭の現場で長年経験を積むことで、大手企業の購買部が驚くような高度な技術力を身につけた職人も少なくありません。このような環境で働くことにやりがいを感じ、自分自身の技術を磨き続けることを心がけています。

難しいと感じることは何でしょうか
また、それをどのように解決していますか

私たちが直面している課題の一つは、若い人材の確保です。多くの若者が大手企業を志向し、町工場への関心が薄いことが原因です。また、町工場の労働環境が厳しいというイメージも、求人の難しさを助長しています。この問題を解決するために、私たちはオープンファクトリーや職場見学を積極的に実施しています。これらの取り組みを通じて、若者たちに実際の仕事の魅力を体験してもらい、町工場での働き方や技術の面白さを伝えています。こうした努力によって、町工場への関心を高め、人材確保の課題を克服するための取り組みを進めています。

この業界を目指す学生や、就職活動を控える学生(業界問わず)へのアドバイスをお願いします

「誰でもできることを誰にもできないくらいやる」
まずは、自分ができることや好きなことに全力で取り組むことが重要だと思います。誰にでもできることを、誰にも真似できないくらい徹底してやり続けることで、他の人と差別化することができます。この愚直な姿勢が自信と実力を培い、結果として就職活動でも大きな武器となるでしょう。焦らず、自分の強みを最大限に活かしながら、一歩一歩着実に進んでいってください。努力の積み重ねが、必ずや良い結果をもたらすはずです。

今回の講演で学生の皆さんに一番伝えたかったことは何でしょうか

仕事は、きつくて大変なことだから、対価としてお金がもらえる、ということを言う人がいます。私たちは人生のほとんどの時間を仕事に費やさなければなりません。仕事が、きつくて大変なことだけなのであれば、きつくて大変なことに人生のほとんどの時間を費やすということになります。そしてその対価がお金だけなら、人生は悲劇です。
仕事は本来、楽しいものです。 むしろ、仕事より楽しいことが、この世にあるのか?というのが私の本音です。そう思えるようになれば、一番楽しいことに時間を費やしていることになります。結論として、仕事は「きつくて大変だから楽しい」のです。きつくて大変であればあるほど、達成感と楽しさが増すのが仕事の本質だと思います。だから、人生は楽しい!